マンション売却豆知識コラム

相続した家を換価分割するとは?処分をする時の注意点もご紹介

相続した家の取り扱いに悩まれるケースは多々あります。
処分をするにしても、どうするか悩ましいですよね。
そこで今回は、対処法の1つとして換価分割について解説します。
最後までお読みいただいて、ぜひ参考にしてみてください。

□換価分割とは?

換価分割とは何かご存知でしょうか。
初めて耳にした方も多くいらっしゃるでしょう。
まずは、換価分割とは何なのか解説します。

人が亡くなると、その人の遺族が遺産をどのように分けるか話し合いをして決めます。
換価分割は、不動産など現物の遺産を売却して現金にしてから分ける方法です。
遺産を分ける方法には、換価分割の他にも、現物分割と代償分割が挙げられるでしょう。
ここでは、それら2つと比較して、換価分割について解説します。

換価分割が向いているケースはいくつかあります。
例えば、遺産のほとんどが不動産や株式などの現物である場合や、価値がほとんどなくて相続希望者がいない現物資産がある場合、また相続税を納税するための資金がない場合などです。
換価分割は、相続人たちが遺産を公平に分けられる点がメリットです。

不動産や株式などの分割するのが難しいものがある場合、公平性を保つのは難しいでしょう。
不動産の場合だと、相続人複数人で共有名義にすることも考えられますが、デメリットがあります。
共有名義にした場合には、売却する時や次の世代に相続する時にトラブルに発展しやすくなります。
手続きや手間も増えてしまうでしょう。

現物の資産を現金化することで、遺産を公平に分割できます。
また、売却した代金を相続税に充てることも可能でしょう。

それでは現物分割は、どのような場合に向いているのでしょうか。

・遺産のほとんどが現金である
・遺産がたくさんあるため、そのまま相続人同士で公平に分割できる
・相続した自宅を手放したくない

以上のような場合に向いているでしょう。
この方法を取ると、そのまま相続したら良いだけなので手続きは簡単になります。
しかし、完全に平等に分け合うのは、難しいです。

代償分割はどのようなものでしょうか。
相続した自宅を売却したくなかったり、現物資産を相続した人がまとまった額の現金を持っていたりする場合に、向いているでしょう。
相続した自宅は残したいけど、公平に分割した時に取れる方法です。

相続人の中のある1人が、現物のまま遺産を相続してその代わりに他の相続人に現金を渡します。
こうすることで、現物資産を売却しなくて済むでしょう。
ただ、その人がまとまった額の現金を持っていることが必須になるでしょう。

□遺産分割協議書はどうなる?

遺産を相続する時には、遺産分割協議書を作成する必要があります。
これは、相続人同士の話し合いの時に作成されるものです。

換価分割を行なった場合には、以下の項目を記載します。
・被相続人の情報
・遺産分割同意について
・換価分割を行う財産種目について
・分割相続について
・遺産分割協議書の作成と所持について
・相続人の住所や氏名、署名日を署名し捺印

まずは、亡くなった方の情報を記載します。
氏名や本籍、生年月日や死亡年月日などです。
次に、遺産分割に同意した旨も記入します。

換価する財産が複数に渡る場合も全て書きます。
そこから諸経費を差し引いた金額を、相続人の人数で分割相続することを書き入れます。

遺産分割協議書は、相続人の人数分作成します。
それぞれが署名捺印して、1通ずつ持っておくことを記載します。
最後に、相続人全ての住所と氏名を署名してから署名日を記入して、捺印します。
この協議書の作成は、ご自身でもできますが、司法書士に依頼することも可能です。

□注意点を押さえておきましょう

最後に、換価分割を行う場合の注意点をご紹介します。
少し複雑ですが、確認していきましょう。

注意点は、譲渡所得税についてです。
換価分割を行なった場合は、譲渡所得が発生する可能性があります。
譲渡所得を得た場合は、譲渡所得税が課せられる可能性が高くなるでしょう。
所得した人の条件によって状況は異なります。

もし、相続した不動産を売却した結果、5000万円を得られたとします。
相続人が2人の場合は、1人2500万円ずつ受け取りますね。
この時に、遺産分割協議書には、2人のうちどちらかが相続登記をした上で、不動産を売却してその利益を2人で分割する旨を記載しておきます。

その相続登記をした人が、不動産を売却した際に売却益が発生した場合なら、譲渡所得税の課税が必要になります。
つまり、2人ともそれぞれ税金の申告義務を受けるのです。
ただ、これが居住用の財産の場合は譲渡益が3000万円まで特別控除の範囲になります。
そのためこのケースだと譲渡益は発生しないでしょう。

□まとめ

この記事では、換価分割について詳しく解説しました。
他の2つの方法と比較して、どれが最も適しているか確認することが大切です。
遺産分割協議書や注意点に関しても、押さえておいてください。
ご不明な点がある方は、当社までご連絡ください。