2021/12/01(水)
近年、空き家問題が全国で顕在化しています。
しかし、なぜそもそも空き家が増加すると良くないのでしょうか。
本記事では、空き家が倒壊するリスクや実際の事例についてご紹介します。
空き家を保有している方や、親の持ち家がある方はぜひ参考にしてみてください。
□なぜ空き家は倒壊するか?
空き家には様々なリスクがあります。
空き家が長年放置されることによっても、たくさんの危険性があるでしょう。
その中の1つに、倒壊のリスクがあります。
それでは、なぜ空き家は倒壊してしまうのでしょうか。
それは、日本の従来の住宅が、木を主としてつくられていることが大きな原因となっています。
木でつくられた住宅は、定期的なメンテナンスや適切な管理が必須です。
それらが全く行われずに放置されていると、どんどん弱くなってしまうでしょう。
弱くなることで、構造材としての役目を果たせなくなってしまうのです。
全国で問題になっている空き家は、基本的に古いものが多いです。
特に耐震基準の改正前の昭和56年以前に建てられた建物は、耐震性が不十分である可能性が高いです。
耐震基準の観点からも、放置されている空き家は小さな地震や台風でも倒壊してしまうのです。
このような倒壊のリスクの高い空き家は今や社会問題です。
そのため、行政も空き家に対して対応を求められており、行政代執行が行われるようになってきました。
行政代執行とは、行政上の強制執行の一種です。
この場合では、行政庁が、放置された空き家を所有者の代わりに解体することを指します。
実際に、2014年5月には、大田区において築46年の倒壊する危険性の高かったアパートが空き家条例に基づいて解体されました。
行政代執行は、行政が解体を行いますが、その費用は所有者に請求されます。
このアパートは、劣化状況もひどく、老朽化も進んでいたため、倒壊の危険性が高かったようです。
その上、屋根材が飛散したり、動物による被害が発生したりもしていました。
倒壊とまではいかなくとも、重量のある瓦や外壁、塀などが崩落するリスクもあったでしょう。
その瓦などが人に当たって怪我をさせてしまったら、ただごとでは済みません。
また、台風が来たら瓦礫などが飛んできて大変危険な状態になることは容易に想像できますね。
雪が多い地域だったとしたら、雪の重さで建物が傾くこともあります。
空き家はリスクをたくさん抱えているので、住む予定がないのであれば早めに対処しましょう。
□空き家が倒壊した事例をご紹介!
続いては、空き家が実際に倒壊した事例をご紹介します。
その時に発生した損害賠償に着目して説明するので、参考にしてみてください。
所有していた空き家が倒壊してしまい、近隣の建物へ被害が及んだ場合は、どれくらいの損害賠償が発生するのでしょうか。
まずは、所有している空き家の解体費用が必要です。
解体費用は、家の形状や面積によって異なります。
一般的な木造住宅の場合、建坪50坪くらいで250万円前後と思っておきましょう。
それに加えて、近隣の住宅に被害があった場合は、被害に対する責任も取る必要があります。
この費用に関しては、損害具合で大きく変動があるでしょう。
修繕で済む程度なのか、全体的に建て替える必要があるのかで変わりますね。
万が一、建て替えとなった場合は、何千万円という金額になります。
非常に多額になってしまうこともあるでしょう。
ここで、火災保険に加入しているから大丈夫かなと思われた方もいらっしゃるでしょう。
しかし、空き家の場合だと火災保険では対象外となる可能性が高いです。
もともと空き家の状態で火災保険に加入していれば良いですが、そうでない場合は厳しいと考えるのが無難です。
もう1つ事例をご紹介します。
この事例は、空き家が倒壊することで通行人に被害を与えてしまった場合です。
建物に関しては、先ほどと同様に解体費用がかかります。
50坪程度の建物で、250万円前後でしたね。
しかし、人的損害が発生してしまうと、費用は何千万円にもなるかもしれません。
また、不幸なことに亡くなってしまった場合は、何億円ともなります。
空き家を放置することで、それほどのリスクがあることを理解しておいてくださいね。
繰り返しになりますが、このようなケースだと保険の対象とはならないケースが多いです。
保険の対象外の場合は、ご自身で損害費用を全て負担する必要がありますね。
現実的ではない金額になってしまうこともあるので、空き家を放置することは避けましょう。
気にしていないと数年はすぐに経ってしまうので、早めに動き出すことをおすすめします。
□まとめ
本記事では、空き家を放置すると倒壊するリスクがあることや、その原因について解説しました。
また、実際の倒壊の事例も紹介しました。
空き家を放置することには、大きな危険性が潜んでいることを認識しましょう。
当社では空き家の管理業務も承っております。
空き家をどうしようかとお困りの方は、お気軽に当社までご相談ください。