2021/10/17(日)
「空き家になった実家を処分したい」とお考えの方はいらっしゃいませんか。
「思い入れのある実家を手放したくない」「手続きが難しそう」となかなか行動に移すことができない方も多いと思います。
そこで今回は、「空き家を放置することで起こりうるリスク」と「実家を処分する流れ」をご紹介します。
□空き家の放置はなぜ危険!?起こりうるリスク
✳︎劣化による倒壊、不動産価値の低下
「誰も住まなくなった家は傷むのが早い」と一度は耳にしたことがありませんか?
理由として、「修繕がされない」「換気がされない」など十分なメンテナンスが行き届かないことが挙げられます。
そうして老化した家は、資産価値が下がり、倒壊する危険性が高まることがイメージできるのではないでしょうか。
空き家の管理が不十分で隣家に損害を与えた場合や、近隣の住民に怪我などの危害を及ぼした場合、所有者は被害者に対して損害賠償責任を負う可能性があり(民法第717条)、十分な管理が必要と言えます。
また、然るべき措置を取らずに放置された空き家は「空家等対策特別措置法」により、「特定空家等」に指定されることも。
すると、固定資産税の優遇措置が受けられなくなり、最大6倍まで税負担が跳ね上がるリスクがあります。
ほかにも、自治体から改善するように勧告、命令があったにもかかわらず応じなかった場合に、罰金刑や、行政が所有者の同意を得ずに解体工事を行い、その費用を請求されるリスクもあります。
✳︎治安の悪化、犯罪リスクが高まる
明らかに人が住んでいない家は不審者に狙われやすく、窃盗や住み着き、放火といった犯罪が起こりやすくなります。
加えて、ゴミの不法投棄によって衛生面が悪化し、地域のイメージダウンや、ご近所トラブルに繋がるかもしれません。
✳︎住んでいなくても維持管理費がかかる
マンションの所有者は、管理費や修繕積立費を支払い続ける義務があります。
住んでいないからといって滞納すると、管理組合から訴訟されるリスクが発生してしまうのです。
なお、毎年1月1日時点で所有している土地や建物に対して課される固定資産税(評価額×標準税率1.4%)、都市計画法による市街化区域に所在する土地や建物に対して課される都市計画税(評価額×標準税率0.3%)、光熱費、火災保険、老化防止のためのメンテナンス代など、維持をするだけでもさまざまな費用がかかることがわかります。
住んでいない家に多額のお金を払うのは抵抗がある方が多数なのではないでしょうか。
さらに、お金の問題だけでなく、空き家へ通い掃除や点検を行う労力と時間もかかることも頭に入れておかなければなりません。
□実家を処分する流れとタイミングは?
空き家の処分作業に取り掛かる前に、売却の流れを把握してみましょう。
1.価格査定依頼をする
2.不動産会社を決める/媒介契約
3.売却活動をする
4.買主との交渉/売買契約を結ぶ
5.物件の引き渡し
6.確定申告
売却するなら少しでも良い条件が望ましいですよね。
ここでポイントとなるのは、複数の不動産会社に査定依頼をすることです。
査定価格は不動産会社によってバラつきがありますが、あくまで「売却できそうな価格」であり、確約するものではありません。
また、不動産会社ごと得意とする物件が異なるため、査定結果を含め、不動産会社をじっくり比較してから決めることをおすすめします。
次に、売却のタイミングを確認しましょう。
1.市場の状況で見る
不動産価格は景気や社会情勢の影響を受けやすいとされていて、不景気の時には下落し、好景気の時には上昇する傾向があります。
2.築年数で見る
家は築年数の経過とともに価値も下がっていきます。
一戸建てとマンションとでは価値が下がるスピードは大きく異なりますが、どちらも早く売ることが家を高く売る上で大切になるでしょう。
3.時期、季節で見る
新生活が始まる前の2月、3月は、転勤や子どもの進学による引っ越しなどの理由で需要が高まり、1年の中で最も売れる時期と言われています。
反対に、1月と8月は避けた方が良いとも言われています。
4.税金で見る
家を売却し利益を得ると、「譲渡所得税」がかかります。
これは「短期譲渡所得」「長期譲渡所得」の2つがあり、売却した年の1月1日時点で所有期間が5年を経過していると税率が安くなる仕組みです。
他にも、マイホームを売却した場合の特例や相続税の一部を取得費に加算する特例があるので、いつまでに売却すれば良いのか事前に確認しましょう。
5.住宅ローン金利で見る
低金利の時に売却すれば、住宅ローンの返済額を抑えられることから、買主がローンを組みやすくなります。
※避けたいタイミング
1.相場価格が上昇中である
2.税制優遇が適応されない時期
不動産売却をスムーズに進めるには、ご自身の状況にあったタイミングを見極めることがとても重要です。
□空き家になった実家の処分方法
いざ、空き家を処分するとなったら、どのような方法があるのでしょうか。
*空き家を残したまま「古家付き土地」として売却する
解体する費用や時間がかからない分、素早く売りに出すことができます。
一方、築年数が20年を超えていたり、激しく老朽化が進んでいると建物に価値がなくなってしまうこともあります。
比較的状態の良い物件に向いているでしょう。
*空き家を解体し更地にしてから売却する
建物の状態によっては、リフォームや更地にすることを検討しましょう。
新築を検討している個人からの需要が高いことや、活用の幅が広がることから、スムーズに買い手が見つかる傾向があります。
ただし、更地にすることで固定資産税の住宅用地の特例(減税制度)が適用されなくなりますので、注意が必要です。
*賃貸にする
思い入れのある実家を残しながらも、人が住むことで建物の劣化を防ぎ、継続的な収入を得られます。
物件の管理が必要となるので、ご自身での管理が難しい場合は、管理会社に依頼をすることを検討しなければいけません。
また、入居者とのトラブルが発生するリスクがあることも覚えておきましょう。
□まとめ
今回は実家の処分方法や、放置するリスクについてご紹介しました。
それぞれ適切な処分方法が異なりますので、まずはスマホで査定申し込みから始めてみましょう。
当社では、不動産売却に関する専門知識や、税務と法律に関する知識も習得し、十分なサポートができるよう体制を整えております。
ぜひ、お気軽にご相談ください。